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夜撫でるメノウ【Ayase】歌詞の意味を考察!別れがテーマのボカロ曲セルフカバー

Ayaseさんの「夜撫でるメノウ」は、初音ミクによるボカロ版のほか、Ayaseさんの歌唱によるセルフカバー版が1st EP「幽霊東京」(2019年11月)のCDのみに収録されていました。

YouTubeではボカロ版が2019年2月、セルフカバー版が2020年2月に公開されています。

このうちセルフカバー版が2021年9月に配信シングル「夜撫でるメノウ / 幽霊東京」としてリリースされました。

タイトルの意味未練たっぷりの失恋ソングなのに爽やかな切なさに留まっている理由が気になるでしょう。

作詞・作曲・編曲・歌唱ともにAyaseさんが務めた「夜撫でるメノウ」の歌詞について考察します。

夜撫でるメノウ 歌詞考察!

テーマは別れ

終電はもうないよ
これからどうしようかなんて
迷い込みたいな二人で
終点なんてないの
明日のことなんてほら
今は考えないでよね

「夜撫でるメノウ」のテーマは別れです。

Ayaseさん自身の大切な人との別れがベースになっていると考えられます。

冒頭では「迷路」に迷い込むように後先考えず、「今」を謳歌する2人が登場しますが、これは回想シーン。

「終電」と「終点」で韻を踏み、2人の付き合いが永遠に続き、終わりはないと信じている様子が伝わってきます。

2人が夜を一緒に過ごす(迷い込む)か、過ごさないかの別れ道が「終電」後の駅になっているところが、後に響いてくるポイントです。

いつもと同じペースで歩く
街に二人の影映す
並んで見た景色はほら
いつまでも変わらないままで
あの頃は子供だったねと
割り切るには
傷付きすぎたよね
思い出の中に溺れる前に
この場所でさよなら

仲良く付き合っているときは、お互いを思いやっているので、無理をしなくても歩調が合っているものです。

一緒に行動するときのスピードが違うと、並んで同じ景色を見ることはできません。

その景色は昔と同じですが、終電を逃して一緒に過ごすような若気の至りは過去の話

そう笑い飛ばして付き合い続けることができないほど、ダメージを負わせてしまったと後悔しているようです。

未練は残っているものの、相手にすがることはせず、駅のホーム(この場所)で別れようとしています。

君に届けとこの愛を
言葉にのせる毎日を
美しく思えないと
いつかは消えてしまうの
これで終わりだなんて
不思議な気持ちになるけど
元気でね

主人公は言葉に出して愛情を表現するのが苦手なタイプなのでしょう。

愛しているからこそ、わざわざ口に出すのは無粋で恥ずかしいというか、あえて言葉にしなくても伝わってほしいという願望もあったのかもしれません。

「君」は「きちんと言葉にしてくれないと伝わらない」という考え方の持ち主のようです。

結果的に愛情表現がなかったせいで、破局を迎えることになりました。

主人公は失恋を受け止めきれていない様子ですが、それでも「元気で」と相手を思いやる言葉を投げかけています。

失恋ソングなのに爽やかな理由

いつもと違うテンポで笑う
君は今何を考えているの?
わざとらしく萎れた空気
少し息が震える
今まで話したこと
全て覚えてはいないけれど
ありがとうの言葉とごめんねと
上手く伝えられなかったから
こんな結末を迎えたのなら
「ごめんね」
遅すぎたね

談笑している段階で、既に「君」の様子がおかしいと気づいていた主人公。

別れ話を切り出す「君」も緊張し、笑うタイミングがおかしくなっていたのでしょう。

「君」が主人公との別れを決意した理由は「感謝も謝罪もしてくれなかったから」だったようです。

主人公にしてみたら、いつもありがたいと思っているし、迷惑をかけたときは謝っているつもりだったのではないでしょうか。

それでも改めて指摘されると「たしかに言葉にして伝えていなかったかもしれない」と気づき、後の祭り。

結局、失恋しましたが、これまで言えなかった謝罪の言葉を口にしているところが爽やかに感じる理由でしょう。

今さら言ってもどうにもならないから言わないまま終わるのではなく、反省して改善する努力が感じられます。

君に届けとこの愛を
言葉にのせる毎日を
息苦しく思えちゃうほど
いつから変わってしまったの?
これで終わりだなんて
まだ信じられないけれど
元気でね

「私のどこが好き?」とか「仕事と私のどっちが大事なの?」など、問い詰められるほど愛情表現がわずらわしく感じられる場合もあります。

それでも主人公は相手を責めたり、やり直そうとすがったりしていません。

呆然としながらも「君」の意向どおりに別れを受け入れ、健康を祈っているところも、前向きな爽やかさを感じるポイントです。

タイトルの意味

終電前のホーム
言葉が出てこないな
ここからはもう一人で
出逢わなければなんて
そんなの思っていないよ
だから笑って、笑ってよね

別れの舞台はやはり

振られた主人公のほうが泣きたい気分のはずですが、「笑って」と気遣っています。

言葉足らずの性分なのに、最後まで相手を思いやるところが切ないですね。

君に貰ったこの愛も
この手で触れた毎日も
あんまりにも美しいから
涙が溢れてしまうよ
これで終わりだねって
最後の言葉になるけど
ありがとね

タイトルの「メノウ」(瑪瑙・アゲート)は石の名前です。

シリカ(二酸化ケイ素)鉱物の変種「玉髄」(ぎょくずい・石英の結晶の集合体)の一種で、さまざまな種類があり、白・赤・黄・緑・青・灰・茶・黒など色も多様で、縞模様(しまもよう)が特徴的

歌詞には出てこず、「夜撫でる石」と置き換えても意味はわかりませんが、近いのは「触れた毎日」かもしれません。

「君」との美しい思い出が「迷路」のように何層にも重なっている、と解釈するのが妥当でしょうか。

あるいは8月生まれの「君」の誕生石が、「メノウ」の一種・サードオニックス(紅縞瑪瑙)とか。

もしくは「メノウ」はカメオ(インタリオ)細工の装飾品によく用いられるので、名場面や山場だけのカメオ出演のように「元気で。笑って。ごめん。ありがとう」だけを伝えたなど、さまざまな想像が膨らみます。

いずれにしても遅すぎた感謝の言葉が切なく、どうにか未練を断ち切ろうとする爽やかさすら感じられるでしょう。

さいごに

大切な人との別れは未練が残りやすいでしょう。

それでも美しい思い出として昇華し、反省点を改善しつつ、前向きに進む努力をしたいものですね。

失恋の痛手から抜け出せない人は、「夜撫でるメノウ」を聴くことで励まされるのではないでしょうか。