今回は、スキマスイッチの新曲「されど愛しき人生」の歌詞を考察していこうと思います。
11月24日リリースの、約3年半ぶりとなるオリジナルアルバム『Hot Milk』に収録されているこの楽曲は、スキマスイッチからの人生讃歌になっています。
アルバムの内容も含めてご紹介します!
オリジナルアルバム『Hot Milk』『Bitter Coffee』
11月24日に、2枚同時リリースされるオリジナルアルバム。
コンセプト別に収録されており、『Hot Milk』にはすでにリリースされた楽曲を含む「今、求められているもの」をテーマに制作された1枚。
一方、『Bitter Coffee』はm「今、メンバーが作りたいもの」をテーマに、今までにない挑戦的な楽曲が収録されています。
「今、求められているもの」に収録されている「されど愛しき人生」には、どんなメッセージが込められているのでしょうか?
アルバムの発売が楽しみです!
されど愛しき人生 歌詞考察
MVを見ると、どうやら楽曲の主人公は、柄本時生さん演じるサラリーマンのようです。
茜色に染まる街を見ながら帰宅する主人公。
道端に転がるペットボトルが風に流される音が耳に入ってきます。
理想の自分とは程遠い生活をしている主人公の虚しさが表現されていますね。
子供の頃、周りの大人達は口を揃えて「夢を描け」「信じれば叶う」と焚き付けてきました。
大人になった今、街を見渡すと夢破れて、日々を生きている人が大勢います。
まさに、さっき見たペットボトルのように捨てられた夢が転がっているのです。
子供の頃に教えられたことは、間違いだったんじゃないかと主人公の心の声が聞こえてきそうです。
どうにもならない人生に無力感を感じた主人公は、どうして自分だけこんな目に合うんだとネガティブになっています。
投げ出してしまいたいですが、そんな勇気もなく、ただただ自己嫌悪に陥っている主人公はどこかで見ているであろう神様に助けを求めます。
コロナ禍で人とのコミュニケーションが薄れてしまった結果、気持ちが暗くなってしまった人も多いのではないでしょうか?
主人公は、今を生きる人々のペルソナ的存在のように感じました。
毎日重い鞄を持ち、会社と自宅を行ったり来たりするだけの人生。
帰り道、ふと立ち寄ったコンビニのガラスに映る自分が、話しかけてきます。
「あなたは誰なの?」
自分が何をしたいのか、何が出来るのかが分からない主人公には答えられない質問です。
みんながアピールしている「画面の中」とは、スマホの中のSNSの世界でしょう。
自分の近況を発信しあい、自己顕示欲を満たそうとしている人々。
主人公の年齢であれば、結婚の投稿なども多いのかもしれません。
他人の幸せそうな姿と今の自分を比較すると、虚しさが押し寄せてきてすぐにスマホを消しました。
これまで歩んできた人生の中で、自分に染み付いた負け癖。
他人の姿を見て奮起することもなく、ただ妬ましく思うことしか出来ません。
徐々に心がすり減っていき、暗くなっていく主人公の様子が浮かんできますね。
成功している人が言う「何度だってやり直せる」なんて言葉は、綺麗事でしかありません。
最後のサビでも主人公に救いの手が差し伸べられることはありませんでした。
帰り道をトボトボ歩く、世界一惨めな主人公。
歌詞だけを見ると、夢を叶えられずに退屈な人生を歩み続けている主人公の辛く悲しい物語ですが、この曲のタイトルは『されど愛しき人生』。
主人公が不幸に感じている今この瞬間も愛おしい人生の一部であり、誰もが感じていることなのだというメッセージのように感じました。
おそらくこの楽曲を聴いている人の中にも主人公のような、どうしようもないやるせなさを抱えている人がいると思います。
この楽曲は、自分の人生がこのままで良いのか、疑問を持っている人達へ向けて、スキマスイッチが「今、求められていいるもの」として送る応援歌のように感じました。
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さいごに
いかがでしたか?
歌詞で励ますのではなく、多くの人が抱えている悩みを含めた歌詞を、タイトル「されど愛しき人生」で括るスキマスイッチのセンスに痺れました。
アルバムの発売が楽しみです!
音楽が手軽に聴ける時代になってきたからこそ、届けるものには重さが必要なのかもしれないと予てから思っていましたが、今回のオリジナルアルバムを複数枚リリースにしようというアイデアは、前回「新空間アルゴリズム」のリリース後からわりと早くにあったテーマでした。
そこから作り上げた何十曲ものデモ音源と、今まで作ったはいいものの日の目を見ていなかった過去のデモ音源たちともう一度正面から向き合い、今回のアルバムに合う候補曲たちを精査していきました。
端的に言えば、今求めてもらっているものと今作りたいものを並べてみようということから、Hot Milk と Bitter Coffee という二枚の異なる個性を持つアルバムが出来上がりました。
ホッと安心するような Hot Milk、少し苦味の効いたこだわりの Bitter Coffee。
気分によって替えながら、ぜひ Milk と Coffee の両方を日常に混ぜ込んでもらえたらと思います。
特設サイトより引用