今回はLiSAさんとUruさんがコラボして2020年11月にリリースされた楽曲「再会」の歌詞考察をしていきます!
「再会」はYOASOBIでコンポーザーを務めるボーカロイドプロデューサーのAyaseさんが作詞作曲を手掛けました。
ソニーヘッドホン「1000Xシリーズ」のCM楽曲として使用されており、2人が奏でる儚いハーモニーはTikTokなどSNSを中心に人気を博しています!
では早速歌詞の考察を始めていきましょう!
再会 歌詞考察
悲しみを堪えて別れを告げる
曲冒頭はいきなり別れを告げる2人の姿が描かれています。
「あなた」は笑顔で別れを告げて主人公も同じように笑顔で返していますが、「あなた」の姿が遠ざかっていくほどに滲んでいくその姿。
別れのそのときは涙を堪えていただけで、主人公は別れを望んでいなかったことが伺えます。
また「あなた」が笑っていることから、恋愛関係の終わりではなく遠距離恋愛になった瞬間なのかもしれません。
冒頭の別れのシーンから少し時間が経ったようですが、主人公はまだ相手のことが頭から離れません。
「窓越しの白い画面」は雪景色のことでしょう。
しかし主人公にとってはただの雪景色ではなく、「白い画面」と表現していることから「あなた」がいない世界を無味乾燥なものに感じている心情も描かれています。
またこの雪景色と対比させるように「あなたと見たい景色」という言葉が使われています。
これは単純に今見ている雪景色を「あなた」と見たいのかもしれませんが、「あなた」といる時間そのものを指していると考えることもできます。
そしてその景色を「ずっとずっと見つめたまま」であることから、主人公は「あなた」との再会をずっと望んでいることがわかります。
「あなた」との再会を心待ちにする主人公
サビの歌詞にある「降りしきる雪」はそのまま募っていく「あなた」への想いを表します。
そして「離れていても同じ空がどうか見えていますように」という歌詞は、少しでも「あなた」との見えない繋がりを感じていたい主人公の願いです。
想いを雪に例えたサビは、至ってシンプルに想いを表現しています。
2番の冒頭ではまた別れの瞬間がフラッシュバックされます。
「あなた」が別れの瞬間に告げた「またね」という言葉。その瞬間が頭から離れず、主人公の耳にはそれ以降静寂が残り続けます。
これは別れの瞬間以降「あなた」の声を聞いていないことを示唆しています。
続く歌詞では「世界が切り離された夜」とありますが、ここでいう「世界」は「あなた」と主人公が一緒にいる世界のことです。
2人の世界が切り離された夜のことがまだ頭から離れないことがわかります。
そして「目を瞑る」のは「あなた」と過ごした日々を想っているから。
主人公にとっては「あなた」が世界の全てだったのでしょう。
2人で過ごした日々を想う
直前の歌詞で2人で過ごした日々を想った主人公。ここではその詳細な心情が描かれています。
「あなた」と過ごしていたときはくだらないことに幸せを感じ、それは主人公にとって「特別じゃない日々」でした。
そんな日々をもっと過ごしたかった主人公は、ただひたすらに「あなた」を求めます。
そしてここで注目するべき言葉は「季節が何度変わろうと」というもの。
1番では主人公が見ていたのは「白い画面」でした。そこから季節が変わった描写は為されていません。
つまり現状主人公は冬の季節を過ごしており、「あなた」が戻って来ない限り主人公の季節は冬のままなのです。
「あなた」が帰ってくるまでは、冷たく寂しい冬という季節から主人公は抜け出すことができません。
「遠い町」という歌詞から、やはり主人公は「あなた」とは遠距離にいるようです。
それが物理的距離なのか心の距離なのかはわかりませんが、主人公は「あなた」に会うことができていないまま時を過ごしています。
そしてそんな状況でも変わることなく「あなた」を想い続けています。
抑えきれない「あなた」への想い
いつまでも2人で過ごした日々が頭から離れない主人公。ひたすらにあなたへの想いが綴られています。
そして注目したいのは「信じ合えればいつまでも二人繋がっていられる」という歌詞です。
「信じ合えれば」という条件提示は、2人が別れた原因に2つの推察をもたらします。
- 信じ合うことができなかったから心の距離が離れ、別れてしまった。
- 信じ合っていたが「あなた」は遠い場所へ行かなくてはならず、遠距離恋愛になった。
この2つです。しかし後者であれば「あなた」が「またね」と言ってから主人公の耳に静寂しか残っていないことと辻褄が微妙に合いません。
遠距離であっても恋人同士であれば電話くらいするでしょう。1番の歌詞の時点で別れてからある程度時間は経過しており、その時間で電話のひとつもしないのは恋人としては不自然です。
となると前者の別れてしまったという説が濃厚になります。
しかし心の距離が離れたとは言っても完全にお互いの想いが途絶えてしまったのではなく、お互い気持ちが残っているけれども少し距離がある状態に感じられます。
これにプラスして、単に心の距離が離れた恋人同士であればどこかで会うタイミングがあるかと思いますが、主人公が「会いたい」と願っているにも関わらず会えていない様子から、「あなた」が遠くへ行かなくてはならないタイミングが重なったのかもしれません。
「雪明かり照らす」という歌詞から、季節はまだ冬であることがわかります。
やはり「あなた」がいないと主人公は冬から抜け出すことができません。
しかしそんな冬の町にもいつかは「春が芽吹く」と思っている主人公。
「あなた」と再会できることを確信している、というよりはそう思い込んでいるようです。
そしてまた「あなた」と会えたときには、別れたときのように涙を見せないことを決めています。
これは別れた瞬間の「あなた」の笑顔とそれに笑顔で返した自分がいるからでしょう。
自分も笑顔で「あなた」を見送った以上、次に会うときに涙を流して相手を心配させたり「自分と違う思いだった」と思わせることに抵抗があるのだと思われます。
相手のために自分の悲しみを押し殺す、悲しい主人公の心情が浮かび上がります。
再会のときをただ待ち続ける
どのサビでもずっと「あなた」との再会を願う主人公の心情がストレートに描かれていますが、このサビも例に漏れず再会を願っています。
「あなた」との再会の瞬間に思いを馳せ、それからずっと一緒にいたいと願う主人公の様子が思い浮かびます。
そしてまた「季節」「景色」という単語が登場します。
やはり「あなた」がいると主人公の季節は動き出し、見えるのは白い画面ではなくちゃんと色づいた景色なのです。
ラストサビでも同じように「あなた」との再会を願う主人公の心情が描かれますが、ここでは転調してより想いが強くなっているようです。
具体的に「春」という季節を待つ描写が増えており、これはより「あなた」に会いたいと思う気持ちが強くなって堪えきれなくなっていると思われます。
そしてそんな春を「待ち続ける二人」とあり、相手も主人公に対して気持ちがまだあるようです。
なんらかの事情で離れざるを得なかった2人。そんな2人に再会という春が訪れることを切に願っています。
会いたくても会うことができない、そんな主人公の切ない感情が強く伝わってくる曲でしたね。
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さいごに
「再会」というタイトルでありながら、再会した2人ではなく再会を願う主人公側の気持ちを一貫して描いていたこの曲。
歌詞だけを見ていると同じような気持ちがずっと描かれているように思ってしまうかもしれません。
しかしこの曲の1番の醍醐味は、高く力強いLiSAさんの歌声と低く儚いUruさんの歌声が奏でるハーモニーです。
この2人はそれぞれLiSAさんが再会を願う強い想い、Uruさんが会えないという現実をわかっている虚しさ、寂しさを表現しており、主人公の感情がリアルに表現されています。
ヘッドホンのCMに起用されたのも納得で、両者の対照的な歌声が「会いたいけれど会えない」という切なさをよりリアルなものにし、耳を通じて心に訴えかけるような曲に仕上がっています。
LiSAさんとUruさん、更にAyaseさんという豪華なメンバーで制作された「再会」。実際に聞いているとこちらまで辛くなってくるようなリアルさがあります。
1回限定のコラボではなく、ぜひまたコラボして「再会」のその後を描いてくれると良いですね!