ドラマ「アンナチュラル」の主題歌『Lemon』や、アニメ「僕のスーパーアカデミア」のオープニングテーマ曲『ピースサイン』などで知られているミュージシャン米津玄師さん。
米津玄師さんはメジャーデビューする前に、ボカロPの“ハチ”として活動していた時期がありました。ボカロ時代も独特な世界観が人気でミリオン再生の楽曲も多く、ネット界隈ではとても有名でした。
ハチ時代の作品には、公開して3日でニコニコ動画の殿堂入りをした『結ンデ開イテ羅刹ト骸』や、今もYouTubeで再生回数を伸ばす『マトリョシカ』などがあります。
今回は、ボカロP時代の代表作品の一つでもある『パンダヒーロー』の魅力をお伝えしていきます。
『パンダヒーロー』は2011年1月23日にニコニコ動画で公開され、公開されて約30時間で10万回再生を突破するという驚異的なスピードで殿堂入りとなりました。
その後、2011年11月に発売されたハチ(米津玄師)さんのセカンドアルバム「OFFICAL ORANGE」の曲目にも収録されています。
2013年にはYouTubeでも動画が公開されて今でも再生数を伸ばすモンスター楽曲となっています。
動画版とニコニコ動画ではアレンジが違うので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
ちなみに、ハチ(米津玄師)さんは自身のイラストを使ったMVを制作することが多く、ボカロP時代はそのほとんどが自作アニメなどで作られていたそうです。
彼自身が描いたMVとしての動画も非常に人気となりました。
MVだけでなく先ほど紹介したアルバム「 OFFICIAL ORANGE」のジャケットのデザインも手がけています。
パンダヒーロー 歌詞考察!
「廃材にパイプ」「錆びた車輪」「送電塔」という言葉から砂埃が舞うような荒廃した街が思い浮かびます。退廃的な世界観ですね。
パンダヒーローとは一般的なキラキラしたヒーローとは少し違う気もします。
手にしている武器が金属バット、というのもパッと見ただけでが悪役とも見えますね。
「犬ラジオ」とは警察の無線のとこで、「オピウム」とはアヘンという麻薬のこと。
ネオン街にいつバニーガールは薬切れでフラフラしている状態。
「カラカラの林檎」はなけなしのお金で「一つ頼むぜ、お願いだ」と薬を欲しいと言っていますね。
薬漬けの生活から抜け出さない限り、負のスパイラルに飲み込まれる
社会の闇について書かれていると受け取れます。
ここでヒーローが登場します。
「殺人ライナー」を打つパンダヒーロー。
米津玄師さんの楽曲には野球用語がよく使われています。
今回はピンチヒッターやライナーという言葉が使われていますね。
「カニバリズム」とは人肉を食べる人のこと。
「歌うアンドロイドと遊んでいる」というフレーズはボーカロイドのことを指しているのでしょうか。
「二点ビハインド」は負けている状態。これはピンチです。
「三遊間」を狙うも、目が「眩む」ので、よく見えない。
そんな時に「ピンチランナー」が登場します。
薬をこれ以上やってはいけないとわかっていて、これ以上のめり込まないよう必死に戦う様子が思い浮かびます。
いよいよパンダヒーローによる逆転劇が始まります。
逃げ場のないこのゲームで、ここからどうなるのでしょうか。
ここではバッターボックスに立つヒーローを、威嚇しているように感じます。
間奏がやや長めに入り、最終フレーズを迎えます。
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さいごに
それでは最後に、
当時のハチ(米津玄師)さんと重ね合わせたら解釈できるかみてみましょう。
退廃的な世界観で助けを求める自分。
そこに登場するヒーロー。
ボーカロイド遊びも、負けている状態でピンチだけど、なんとか勝ちたい。
でも上手く感情制限ができない葛藤。
ニコニコ動画で活躍する人・見る人が一人また一人消えていく。
自分も始めてしまったからには、やめられない、逃げられない。
パソコンを壊してしまえ、とパソコンの向こう側にいる視聴者へ感情をぶつけろ!
どうでしょうか。
ハチ(米津玄師)さんの決意、作り手側へのメッセージが伝わってきますね。
『パンダヒーロー』はたくさんの歌い手さんにカバーされています。
米津玄師さんご自身でもセルフカバーしていてライブでも披露されたり、話題になっています。
聴けば聴くほど味が出てくるこの楽曲を楽しんでください。