2012年にリリースされたSEKAI NO OWARIの3rdシングル「眠り姫」は、現在でも人気がある名曲です。
「眠り姫」というロマンチックなタイトルや、ファンタジックで可愛らしい楽曲の世界観とは裏腹に、「死」という重いテーマになっているのが特徴的です。
この曲は2010年にリリースした1stアルバムの「EARTH」に収録されている「死の魔法」、2011年リリースのシングル「INORI」に収録されている「不死鳥」にリンクしています。
「死の魔法」「不死鳥」は自分の死に対する恐怖心が表現されていますが、「眠り姫」は大切な人の死に対する恐怖心が表現されています。
作詞作曲を手掛けているのはギター&ボーカルのFukase(深瀬 智)さんです。
一体どんな歌詞なのでしょうか。それでは、歌詞考察をしていきましょう。
眠り姫 歌詞考察
もし「君」が死んだら…
この歌に出てくる「君」とは誰のことなのでしょうか。
こちらはメンバーであり、元恋人でもあるSaoriさんのことを歌っているそうです。
なので「君」にはSaoriさん、「僕」にはFukaseさんを当てはめて歌詞を考察していきましょう。
まず、歌の始まりの部分は、SaoriさんとFukaseさんで世界を冒険してきたという風に読むことができますね。
この「世界を冒険してきた」というのは、実際に世界旅行に行ったりしたわけではなく、共に音楽活動を頑張ってきたということなのでしょうね。
「泣いたり笑ったりして 僕らはどんなときでも手を繋いできたけど」から、辛いことや嬉しいこと、沢山あったことが想像できます。
そしてどんな時も一緒にいたということでしょう。
しかし、「死」をテーマにしている曲なので「いつかは いつの日かは」とは、
いつか「君」が死んでこの世界からいなくなってしまうことを「僕」が想像している様子が伺えます。
ある朝起きて、もし「君」が死んでいたらどうなるか…、具体的に想像しています。
ファンタジックな比喩表現
こちらは「君」が死んでしまっている様子を「深く眠っている」と思い込みたい、「僕」の気持ちが表現されています。
「死」というものを受け入れられず、苦しんでいるのでしょう。
「ボーッと火を吹くドラゴンも僕ら二人で戦ったね 勇者の剣も見つけてきたよね」
とありますが、こちらは二人でゲームをしていたのではないかという説もあります。
しかし、個人的には「君」と過ごした人生の中であった様々な出来事を回想し、SEKAI NO OWARI ならではのファンタジックな比喩表現にしているのではないかと思います。
いつも一緒に頑張ってきた二人
バンドが売れる前からずっと、一緒に頑張ってきた二人。
「こんな青空のとき」とは今、SEKAI NO OWARIがアーティストとして世間に名が知れ渡っている時で。「どんな嵐のときでも」はきっとまだ売れておらず、苦労を重ねていた時のことを差しているのではないでしょうか。
「こんなに嬉しい時」が成功している「現在」で、「どんなに悲しい時」が苦労していた「過去」なのでしょう。
受け入れられない「死」
「起こそうとして揺さぶるけど 君はもう目を覚まさないんだ」という部分から、やはり「君」の「死」を認めたくない「僕」がいるのでしょう。
「君」への愛
「まだ見ぬ宝」とはアーティストとして成功するということでしょうか。二人はかつて恋人として付き合っていたので、もしかすると二人の子供のことかもしれないですね。
星が降る夜に二人で車でデートに出かけた、または、バンドメンバー全員で車に乗って、遠方のライブハウスに出向いたのかもしれないですね。
最後、また同じ歌詞でサビが繰り返されます。
「僕らが今まで冒険した世界と僕は一人で戦わなきゃいけないんだね」とは、今まで深瀬さんはSaoriさんと一緒に音楽活動をしてきたのに、Saoriさんがいなくなったら、これから一人でやっていかなければならないことがとても辛いと言っているようですね。(メンバーもいますが…)
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さいごに
この歌詞を読んでいると、FukaseさんのSaoriさんに対する愛がすごく伝わってきます。
こんなに愛していたのに、どうして別れてしまったのか…気になるところです。
そして、別れた後でもずっと仲良く音楽を頑張っているのもすごいなと思います。もはや男女を超えた絆があるんでしょう。
SEKAI NO OWARIは、Saoriさんが妊娠している時は、メンバー3人だけで活動していたそうです。なんだか居心地が悪かったそうですね。
メンバーのDJ LOVEさんは、やっぱりSaoriさんがいないと俺たちは売れない、と感じたそうです。Fukaseさんだけでなく、もはやメンバー全員がSaoriさんなしでは生きれない状態ですね。
そんな仲良しで素敵なバンド、SEKAI NO OWARI。ファンタジーでちょっとダークな世界観の「眠り姫」をぜひ聴いてみてください。