この記事では、indigo la End「夏夜のマジック」の歌詞について考察していきます。
「夏夜のマジック」は、真夏の夜中に聴きたくなるような爽やかさと独特の暗さをもったナンバー。
「昔好きだった好きな人を思い出す」というエモーショナルな楽曲です。
MVには桜井ユキと君嶋麻耶が登場し、2人の美しい過去が回顧されるような切ない描かれ方をしています。
歌詞はどのように解釈できるのか、筆者独自の観点から考察していきたいと思います!
夏夜のマジック 歌詞考察
夏にした恋ほど忘れられないものはない
夏は少し特別な季節。
何かが始まる楽しい予感と、何かが終わっていく悲しい予感の両方が含まれているように思いますが、この楽曲は後者の夏を想起させます。
MVでは男性が、昔の恋人を思い出しながらギターを静かに弾く姿が映し出されます。
何か忘れられない痛みを感じているような表情です。
「夏の匂い」「祭り」という言葉からも、夏特有の湿っぽさを感じられます。
主人公の昔の恋人である「君」は、とても夏が好きな人物だったようです。
だからこそ、余計に夏にはしゃぐ「君」の姿が、夏になるとありありと思い出されてしまう切なさが感じられます。
夏の夜だけ叶うこと
タイトルにもなっている「マジック」ですが、「今なら君のことがわかるような気がする」という言葉に、そのマジックの意味が込められているように感じます。
恋人とお別れした後に「なぜこんなことになったのか?」「どうして君のことが分からなかったのか?」と自問を繰り返しているような主人公。
失恋したあとは、だれもがそんな思いを抱えます。
しかし、夏の夜の間だけは、その理由の全てが分かるような「マジック」にかかってしまう、そんな風に受け取ることもできます。
そして、それが悲しい事実だったとしても、夏の夜には溶けるように流されてしまう。
夏夜の魔力に身を任せて、恋人の面影を強く追っているように思えます。
「暮らしの中に生まれる歌を歌って」ここから派生していく回想。
大事な思い出の一瞬一瞬は、些細な日常から生じていることを彷彿させるような歌詞だと感じます。
「幸せ」「悲しみ」といった感情の伴う記憶が「歌」という単語に比喩として使用されているようにも思えました。
そんな日常の中で「君」は、花火のように輝いていたのでしょう。
ここでは1番と同じ歌詞のサビですが、主人公が幾度もこのような切ない夜を送っていることが分かります。
夏の夜だけ、「君」のことを知られるマジック、さらには「君」を忘れるマジックにもかかりたいと願っているようにも思えます。
「時薬」が効いていくのを待つ夏
失恋の痛みは、早く忘れたいものです。
しかしここでは「勿体ない」と引き止めます。
主人公がマジックにかかったように、夏の夜にだけ「君」との記憶を存分に思い出し、酔いしれる様子が目に浮かびます。
「君」に掛けられた言葉なのか、主人公の心の傷になっている言葉も、時間が少しずつ綺麗なものに変化してゆくのを待つのみ。
また、胸の傷をえぐってしまうような「別れの歌」も、夏の夜の間だけは主人公を救済するような力を持っているように思えてくる、センチメンタルな心情が感じられます。
切ないまま終わっていく夏
ラストのサビも同じ歌詞ですが、ラスト部分、夏を終わらせようとしている主人公の姿が垣間見れます。
主人公は煮え切らない思いを抱えたまま、季節を終わらせてゆくのでしょう。
夏の恋心が寂しく散らないように、この歌が一つのお守りのようになることを祈っています。
ただただ美しく綺麗なあの時の「君」を、そのまま脳裏に残したままの主人公の苦しさが迫ってきます。
1ヶ月無料で音楽聴き放題!
通常880円/月のAmazonMusicUnlimitedが今なら1ヶ月で体験可能!
この機会に聴き放題サービスをお試ししてみよう!
いつでも解約OK!
終わりに
indigo la Endの「夏夜のマジック」の歌詞の解釈をしてみました。
出来事のひとつひとつが綺麗に見えてしまうのが、夏の魔法です。
でも、失恋の心も「夏」がキーとなれば、このように悲しくて美しいものに変化していくのだと切ない気持ちになります。
傷ついた恋心を持った人はもちろん、ひと夏の思い出を思い出したい人の隣に流れて欲しい楽曲です。