『ラフ・メイカー』は、2000年に発表された『ダイヤモンド』のカップリング曲。
B面でありながらもそこに綴られる歌詞の深さと鋭い視線に度肝を抜かれるような楽曲です。
Goose houseのカバーでも有名になりました。
”ラフ・メイカー”とは”笑顔製造者”と訳されます。
つまり、泣いている人を笑わせるための存在という意味でしょう。
悲しい時はずっと泣いていたいもの。
しかし、ずっと泣き続けて周りを困らせてしまうことも。
そんな泣き続けるあなたの前に現れたラフ・メイカーがしでかす作戦の歌詞について、考察していきたいと思います。
『ラフ・メイカー』歌詞考察
突然現れるラフ・メイカー
悲しい出来事の末に、泣いている主人公。
そこに突然現れたのはラフ・メイカーです。
突然部屋にやって来たラフ・メイカーに戸惑う主人公。それでも構わず”入れてくれ”とのたまうラフ・メイカー。
ラフ・メイカーは主人公の友人でしょうか?それとも幽霊のような存在?妖怪?概念?
どんな存在か分かりませんが、もうこの地点で主人公の心に余白を作り始めているのは確かなようです。
泣かせてほしい主人公
突然やって来たラフ・メイカーに、慌てふためき怒りすら覚える主人公。
”そんなモン読んだ覚えはない”と言い返す様子に、少しクスっと笑ってしまいます。
しかし確かに「誰か」がいたら、涙を流すのは恥ずかしいし、情けない気持ちになってしまいます。
ラフ・メイカーの思う壺なのでしょうか。
ラフ・メイカーの矛盾
ふと消えたのかと思ったら、再びやってきたラフ・メイカー。
主人公は”あの野郎”呼ばわりで怒ります。
そうすると”泣きそうだ”としょんぼりするラフ・メイカー。
笑顔製造機のラフ・メイカーが、名前を裏切って泣いてしまう矛盾した描写がなんだか少しおもしろいですね。
一緒に泣いてくれる存在
”あんたが泣いてちゃ仕様がない”
まさに主人公のツッコミ通り、ラフ・メイカーが泣いていては本末転倒です。
悲しい出来事の内容違っても、ふたりで一緒に泣いている様子はどこかあたたかくもあります。
笑顔製造は、一緒に泣くこともひとつの大事な行動なのかもしれません。
笑わせるのが生き甲斐
ドア一枚を挟んで、泣いているふたり。
主人公自身も、この状況がどこかおかしいことに気付いているようです。
”今でもしっかり俺を笑わせるつもりか ラフ・メイカー”
と問うている姿からは、悲壮感は伝わってきません。
ラフ・メイカーは「笑わせるのが生き甲斐」だと言い、帰らないと宣言します。
どちらが先に元気になるのか、おかしな勝負が始まりそうな予感です。
ラフ・メイカーとの邂逅
どちらが先に元気になるかおかしな勝負がスタートしているところで主人公はラフ・メイカーと直接会おうとします。
しかし、悲しみで流した涙に耐えられずドアが開きません。
涙で濡れすぎた自身の心を見られたくないという心情の比喩でもあるのかもしれません。
そっと心を開こうとする主人公。
でも、突如としてラフ・メイカーは無言になります。
まさか…!
ラフ・メイカーとの邂逅・2
主人公の意に反し、ラフ・メイカーはいなくなります。
”信じた瞬間裏切った”
この言葉から、主人公が重ねてきた様々な悲しみの後ろ姿が分かってしまうような気もします。
しかし、突然ラフ・メイカーは後ろから登場!
その手には鉄パイプ。何をする気なのでしょうか?
負けるが勝ち
ラフ・メイカーは、主人公自身に泣き顔を見せられるよう、小さな鏡を渡します。
そこに映るのは、とんでもなく酷い泣き顔だったのでしょう。
思わず主人公も呆れかえって笑ってしまいます。
悲しい出来事の根本を解決できたわけではないかもしれません。
でも、そっとかぶせるように笑顔をくれる存在の重要さがここには描かれています。
そして、泣いている人も、ずっと泣いて意固地になるより、「自ら助かりに行く選択」をしても良いのでは?という深いメッセージも込められているように思います。
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おわりに
いかがでしたか?
ラフ・メイカーはあなたにとって、とても近くにいる存在かもしれません。
そっと心を開かせてくれる存在に気付かせてくれ、さらには物語性の高い歌詞の『ラフ・メイカー』。
元気のない時に聴いてみてください!