怪物【YOASOBI】歌詞の意味を考察!BEASTERSのあらすじとともに読み解く!

怪物」は2021年3月24日に発売されたシングルに「優しい彗星」とともに収録されている楽曲です。

YOASOBIは小説を元にした楽曲が人気となっており、「怪物」は「BEASTARS」の作者である板垣巴留さんによって書き下ろされたオリジナル小説『自分の胸に自分の耳を押し当てて』を元に制作されています。テレビアニメ「BEASTARS」の第二期オープニングにも起用されています。

Youtubeでは1億回以上も再生されており、YOASOBIを代表する1曲となっています。

この楽曲はダークなエレクトロサウンドが特徴となっており、特に若い世代からの絶大な人気を集めています。

序盤の音数を少なくし、サビでは疾走感のあるバンドサウンドに昔のアニメソングを参考としたメロディを乗せることでAyaseさん本人の考える「アニソンらしい表現」をしているようです。

「BEASTARS」の世界観を基にして作られた「怪物」はどのような物語になっており、どのような意味が込められているのか、歌詞の考察をしていきたいと思います。

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アニメ「BEASTARS」とは

「BEASTARS」は擬人化された肉食獣と草食獣の共存を描いた物語となっています。

人間の本性を動物に置き換えて描かれたシリアスなお話です。

アニメのホームページにて無料で全文が公開されています。5分ほどで読める短編小説となっていますのでぜひ読んでみてくださいね。小説のストーリーを知ってから聞いてみると歌詞の捉え方が変わるところもあり、面白いですよ。

怪物 歌詞考察

共存する社会

素晴らしき世界に今日も乾杯
街に飛び交う笑い声も
見て見ぬフリしてるだけの作りもんさ
気が触れそうだ
クラクラするほどの良い匂いが
ツンと刺した鼻の奥
目を覚ます本能のまま
今日は誰の番だ?

主人公が街に出ていくと一見誰もが楽しそうにしています。笑い合ってる人々も本当は気づいています。

それを主人公は「素晴らしき世界に今日も乾杯」、「見て見ぬフリしてるだけの作りもんさ」と皮肉を込めて言っています。

肉食獣と草食獣が共存する素晴らしき世界。しかし裏では草食獣の食殺が行われていて、それを黙認する世界。こんな世界に主人公が強い嫌悪感を抱いていることが伝わってきます。

しかし、主人公は肉食獣であるオオカミなのです。鼻につくその匂いに本能を呼び覚ましてしまいます。

この世界で何が出来るのか
僕には何が出来るのか
ただその真っ黒な目から
涙溢れ落ちないように

都合の良いことだけで塗り固められたこの世界で自分にできることがあるのか、何をすればいいのかともがいています。自分の本能を抑えることですら苦しんでいる自分に何ができるのか・・・

このように主人公の中の葛藤が強く表れた歌詞となっています。

笑っていて欲しい君の存在

願う未来に何度でもずっと
喰らいつく
この間違いだらけの世界の中
君には笑ってほしいから
もう誰も傷付けない
強く強くなりたいんだよ
僕が僕でいられるように

「君」とは原作の小説に出てくるウサギの少女のことでしょう。

主人公はこのウサギに惹かれているのですが、オオカミである自分の本能のせいで君を傷つけてしまうのではないかと恐れています。

間違いだらけの世界の中でも笑ってほしい「君」の存在があるからこそ誰も傷つけないよう強くなりたいと思うのでした。主人公の真っ直ぐな想いが伝わりますね。

素晴らしき世界は今日も安泰
街に渦巻く悪い話も
知らない知らないフリして目を逸らした
正気の沙汰じゃないな
真面目に着飾った行進
鳴らす足音が弾む行き先は
消えない消えない味が染み付いている
裏側の世界

知らないフリをしていたら今日も平和で安泰な世界。

それではいけないと主人公は世界の闇に正面から立ち向かおうと闇の世界に行きます。

正義とは、正解とはなにか

清く正しく生きること
誰も悲しませずに生きること
はみ出さず真っ直ぐに生きること
それが間違わないで生きること?
ありのまま生きることが正義か
騙し騙し生きるのは正義か
僕の在るべき姿とはなんだ
本当の僕は何者なんだ
教えてくれよ
教えてくれよ

「肉食獣は草食獣を食べるもの」と黙認される偽物の世界の中で、主人公は「肉食獣と草食獣との本物の共存」を求めています。

ですが、本能のまま生きる方が正しいのでしょうか。それともずっと気づかないふりをしておくのが良いのか。主人公の抱える葛藤がここにも強く描かれています。

今日も
答えのない世界の中で
願ってるんだよ
不器用だけれど
いつまでも君とただ
笑っていたいから
跳ねる心臓が
体揺らし叫ぶんだよ
今こそ動き出せ

主人公がいくら考えようと正解が見つかることはありません。どうしたいのか、何ができるのかもわかりません。しかし、「君」とただ笑っていたいという想いだけを胸に自分の気持ちに正直になる決心をします。

『今こそ動き出せ』という歌詞から主人公の迷いのない強い気持ちがわかりますね。

MVでは襲われそうになるウサギを助けにいくシーンが描かれており、葛藤はありながらも自分の気持ちに素直に生きると決めたことが伝わります。

弱い自分を何度でもずっと
喰らい尽くす
この間違いだらけの世界の中
君には笑ってほしいから
もう誰も泣かないよう
強く強くなりたいんだよ
僕が僕でいられるように
ただ君を守るそのために
走る走る走るんだよ
僕の中の僕を超える

主人公は間違いだらけの世界を正したいという強い気持ちを持っていますが、それとともに弱い部分も持っています。何が正しいかわからなくなったり、自分はどうしたいのか、何ができるのか分からなくなってしまうこともあります。

しかし、その弱さに向き合う強さを持っています。何度でも弱い自分が現れるたびに「喰らい尽くす」と決めたのです。

君と一緒に生きていくために、自分らしくいるために・・・。

強くなってみせるという主人公の決意が綴られています。葛藤を乗り越え、「これからだ」と言わんばかりの勢いを感じます。

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さいごに

人は生きていく中でたくさんの問題にぶつかり、葛藤することがあると思いますが、この楽曲の中では葛藤しながらも考え続け、後悔のない決断をする主人公の姿が描かれています。

自分らしく生きるために葛藤することは大切なのだと伝わってくる一曲ですね。

ぜひ、MVやテレビアニメの物語を知った上でもう一度聞いてみてくださいね。