今回は人気ロックバンドKing Gnuの新曲「一途」の歌詞を考察していきたいと思います。
12月24日に公開されるアニメ映画『劇場版 呪術廻戦 0』の主題歌として書き下ろされたこの楽曲は、映画の公開より一足先の12月10日に配信リリースされます。
映画の内容、King Gnuの楽曲コメントも合わせてご紹介していきます!
『劇場版 呪術廻戦 0』
芥見下々(あくたみげげ)先生による大人気漫画『呪術廻戦』の前日譚として、本編連載前に短期集中連載として描き下ろした「東京都立呪術高等専門学校」を映画化した作品。
原作漫画も「0巻」として単行本化されており、ファンからの人気も高いものになっています。
主人公は、本編主人公の虎杖の先輩であり、 禪院真希、狗巻棘、パンダらの同級生にあたる呪術高専の2年生・乙骨憂太(おっこつゆうた)。
結婚の約束を交わした幼馴染が交通事故によって亡くなり、呪いになった彼女に取り憑かれてしまった主人公。
呪いの強すぎる力で周りの人を傷つけてしまうことを恐れた乙骨は、人との関わりを避けて生きてきました。
しかし、呪術高専の教師で最強呪術師である五条悟との出会いによって、幼馴染の呪いを解くため呪術高専に転校し、修行を始めます。
乙骨は呪いを解くことが出来るのでしょうか?
本編とも関わりのある過去ストーリーに注目です!
楽曲コメント
King Gnuの常田大希さん(G, Vo)のコメントをご紹介します!
作中に出てくる五条悟の名言「愛ほど歪んだ呪いはないよ」の言葉どおり、呪いとなって乙骨に取り憑いている幼馴染との関係性を表すような一途な想いが込められた曲になっているそうです。
どんな歌詞なのか気になりますね!
一途 歌詞考察
今回考察する「一途」は、映画の主人公・乙骨と、乙骨に取り憑いている呪い・幼馴染の里香の一途な想いが表現されています。
冒頭の部分は、里香に向けたメッセージが歌われていますね。
映画の内容のネタバレになりますが、主人公・乙骨は、呪術が使えない人間を滅ぼそうとする呪詛師・夏油傑と戦うことになります。
「最後にもう一度」の最後とは、夏油との壮絶なバトルの最後を指しているのでしょう。
最後に一度だけ力を貸してくれたら、その後はもう何も要らない。
「生きてる証刻むの」とは、乙骨自身が戦う理由を表しているのでしょう。
呪いの力をコントロールできず、周りの人を傷つけてしまうことを恐れた乙骨は、人との関わりを避けて生きてきました。
人に害をなす存在になってしまった自分は、生きてても良いのだろうか、その葛藤を乗り越えるため夏油と対峙します。
「天秤なんて必要ないの」という歌詞は、乙骨にとって夏油のしていることが正義か悪かなど関係なということを示しているのだと思います。
ただ純粋に自分の「生きてる証」、生きる理由を探すために立ち向かうのです。
冒頭の歌詞は、乙骨の視点で描かれていましたが、ここからは裏主人公である夏油傑の目線で描かれています。
物語上では、人間を滅ぼそうとする悪役として描かれる夏油ですが、彼にも彼なりの正義があって動いています。
呪術師だけの完璧な世界を作り上げるためなら「汚れ役だろうと厭わないよ」と歌っているように感じました。
誰しもが、矛盾を抱えて生きています。
自分の生きる意味を探すため、夏油と命を奪い合おうとする乙骨。
人間を滅ぼそうとして、歯向かう呪術師も殺そうとする夏油。
どちらの主人公も矛盾を抱えながら、互いに向き合っているのです。
「首の皮一枚瀬戸際に 足掻いてちゃ白々しいね」という歌詞には、King Gnuの代表曲『白日』の歌詞が含まれています。
真っ新に生まれ変わって
人生一から始めようが
首の皮一枚繋がった
如何しようも無い今を
生きていくんだ
如何しようも無い今を生きていくのに、足掻いてちゃ白々しい。
ファンは、ニヤッとする要素なのではないでしょうか?
再度乙骨の視点で描かれています。
「一途に見つめる」先にあるのは、呪いになってしまった里香の姿でしょう。
自分に憑いた怨霊の里香と心を通わせる事で、凄まじい力をコントロールし、夏油との戦いに挑みます。
最後の「理由なんて必要は無いの」という歌詞から、里香に対する乙骨の深く一途な愛情が読み取れますね。
「涙の理由も知らずに 愛が体を喰いちぎった」とは、里香が怨霊になった場面を表しています。
結婚の約束をした幼馴染への愛が、死後呪いとなって取り憑く理由になりました。
「正しさを振りかざさないで 事実が理由を喰いちぎった」の部分は、夏油の主張を乙骨目線で描いたものだと考えられます。
非呪術師を滅ぼし、呪術師だけの世界を作ろうという正義を振りかざし、人間への総攻撃を仕掛ける夏油。
呪術師は呪いから人間(非呪術師)を守るためにいるのだという理由が、いつの間にか、人間(非呪術師)が呪術師を良いように使っているという事実に変化してしまいました。
そのような事実を変えるため、自らの正しさを押し通そうとした夏油を、完全な悪として断罪することは出来るのでしょうか?
「喧騒に薪を焚べたんだ」という歌詞も、King Gnuの楽曲『Vinyl』に登場します。
乙骨は、「鼓動が止まぬように」自身の体に渦巻く里香の強大なパワーを、彼女への愛で増幅させ戦います。
原作に出てくる「帳(とばり)」という名の結界。
King Gnuの原作へのリスペクトが感じられますね。
帳を張ることすら無粋、この部分は夏油と彼の親友でありライバルとなる五条悟のことを描いているように感じます。
呪術高専の同級生だった二人。
正反対の存在でありながらも、強い絆で結ばれている二人の間に帳=結界は不要です。
夏油との戦いを制すためなら、里香と一体になり命を落としても構わないと考えている乙骨の想いが歌われています。
幸せな来世に期待し、命を賭けて全力で立ち向かう乙骨。
一途な思いを伝えた後は、乙骨と里香の間に永遠など必要ありません。
冒頭の歌詞にもありましたが、一瞬だけでもあなたで満ちれば後悔は無いのです。
壮絶なラストが、ありありと浮かんできます。
冒頭の歌詞とほぼ同じですが、「僕の未来も 過去も何もかも」の部分が「見えない未来も 消せぬ過去さえも」に変わっています。
この歌詞は、夏油の想いを歌っているのではないでしょうか?
ネタバレになりますが、0巻のラストで夏油は五条に殺されます。
夏油傑は最後に「最後くらい呪いの言葉を吐けよ」と言っていますが、最後は親友として五条に抱きしめてもらいたかったのではないでしょうか?
先の見えない未来に絶望し、人間を滅ぼそうとした消せない過去。
それらを全てひっくるめて、最後に抱きしめて親友に戻りたかった。
原作の裏に隠された想いを表現しているように感じました。
曲のラストで描かれるのは、やはり乙骨から里香に対する一途な想い。
コメントでもありましたが、羨ましいほどに、そして呪わしいほどに一途な想いが歌われています。
未来も心も体も全部里香にあげるから、最後にもう一度力を貸してと、呼びかけている様子が目に浮かびます。
全部がサビというコメント通り、息をつく暇もないほどの攻撃力を持ったロックチューンでした!
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さいごに
いかがでしたか?
呪いのような純愛が歌われた楽曲でしたね。
原作へのリスペクトに溢れたKing Gnuにしか描けない楽曲でした。
これからの活躍からも目が離せません。
「劇場版 呪術廻戦 0 」の主題歌に「一途」という楽曲を書き下ろさせていただきました。
大勢の人々が待ち望んでいる名作の映画化ということでプレッシャーたっぷりでしたが、呪術廻戦の世界観にピッタリの、ヒリヒリとパンチのある何処迄も真っ直ぐな楽曲に仕上がったと思います。
里香ちゃんと乙骨憂太君の関係は羨ましいほどに、そして呪わしいほどに一途ですね。
皆様公開を楽しみに待っていてください!宜しくお願い致します!