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春を告げる【yama】歌詞の意味を考察!タイトルに対して暗い歌詞が使われた理由は?

今回は2020年4月にリリースされたyama名義での一作目「春を告げる」の歌詞考察をしていきます!

「春を告げる」はボーカロイドプロデューサーのくじらさんが作詞作曲を務め、ロックバンドBINのボーカルとして活動する山上さんが歌い手yamaとしてリリースした初めての楽曲です。

キャッチーなメロディーと独特の歌声はYouTubeやTikTokなどのSNSで人気が急上昇し、Spotifyの「バイラルトップ50(日本)」では瑛人さんの「香水」に次ぐ2位となるなど若者世代を中心に人気を博しています。

では早速歌詞の考察を初めていきましょう!

春を告げる 歌詞考察!

たった一人でインターネット世界に繋がりを求める

深夜東京の6畳半夢を見てた
灯りの灯らない蛍光灯
明日には消えてる電脳城に
開幕戦打ち上げていなくなんないよね
ここには誰もいない ここには誰もいないから

「深夜東京の6畳半」「灯りの灯らない蛍光灯」と「春を告げる」というタイトルからは想像もつかないような暗い描写で曲が始まります。

経済的な苦しさ故に電気代も払うことができない一人暮らしの若者の姿が想像できます。

ここで「夢を見てた」とありますが、これは眠ることで見る夢ではなく暗い現実に対して自分が思い描く明るい未来、或いは現実逃避を表現しています。

そして電脳城はパソコンなど電子機器が並ぶ家電量販店を指す言葉です。これが「明日には消えてる」とあるため、ここでは転じてこの一人暮らしの主人公が発信したSNS、或いは掲示板のことと思われます。

「開幕戦打ち上げていなくなんないよね」というのはこの主人公が始めたSNS上での発信、或いは掲示板にコメントしている人々に対し、「話題が終わるまではいなくならないで欲しい」と思っている様子です。

本音と建前

ここに救いはないよ
早く行っておいで
難しい話はやめよう
とりあえず上がって酒でも飲んでさ
いつも誰にでもいうことを繰り返してる

ここでは主人公が誰かと話している様子が描かれています。1行目と2行目の「ここに救いはないよ 早くいっておいで」は主人公の心の声を表現しています。

自分に愚痴を吐いたところで何も変わらない、現実を見た方が良いと思っている主人公の疲れたような感情が浮かび上がります。愚痴なんか聞いていられないという風にも取ることができますね。

対して3行目と4行目の「難しい話はやめよう とりあえず上がって酒でも飲んでさ」は実際に主人公が友人と思われる誰かに対して放った言葉であると思われます。

本音ではどう思っていても相手にとって都合の良い言葉をかけ、良い友人を演じる主人公の姿が見て取れます。

これが建前であることはその後の「いつも誰にでも言うことを繰り返してる」という歌詞でわかります。

とりあえず誰に対してでも都合の良い言葉をかける良い友人を普段から演じていると考えることができます。

完璧な演出と 完璧な人生を
幼少期の面影は誰も知らないんだ
誰もがマイノリティなタイムトラベラー
ほら真夜中はすぐそこさ

「完璧な演出と完璧な人生を」は建前を使って常に誰にとっても良い人物を演じる主人公を指しています。

そして「幼少期の面影は誰も知らないんだ」というのは普段から建前を使っているために本当の自分の性格を誰も知らないという意味です。

ここから、「誰もがマイノリティなタイムトラベラー」という歌詞に繋がってきます。「マイノリティなタイムトラベラー」は、本音では実際に口にする言葉と全然違う性格をしている人を指しています。

本当の自分を「幼少期」と表現しているため、「タイムトラベラー」は人前では建前を使う「大人」、一人かインターネット上では本音を話す「幼少期」を行き来しているということです。

つまりこの主人公は「本音と建前を使っているのは自分だけではない」と言っており、現実世界への諦めのニュアンスが感じられます。

「ほら真夜中はすぐそこさ」という最後の部分ですが、この後サビに繋がって曲冒頭と同じ歌詞が繰り返されます。曲冒頭のサビでは主人公がSNSや掲示板で何かしら発信をしている様子が描かれていましたが、恐らく今夜もそうするのでしょう。

つまり「真夜中はすぐそこさ」というのは「本音で話せる時間がもうすぐ来る」と言っているのです。

深夜東京の6畳半夢を見てた
灯りの灯らない蛍光灯
明日には消えてる電脳城に
開幕戦打ち上げていなくなんないよね
ここには誰もいない ここには誰もいない

そしてまた深夜に「電脳城」にこもって「開幕戦を打ち上げて」います。

主人公は本音で話せるインターネット世界に癒しを求めているように感じられます。

変わろうとする主人公

明日世界は終わるんだって
昨日は寝れなくて
小さな記憶の箱は
夜の海に浮かんでいる

これまでインターネット世界に癒しを求めていた主人公ですが、ここでは突然その「世界」が「明日終わる」とされています。

主人公は恐らく新しい何かに挑戦するのでしょう。環境が変わってしまうことに緊張して「昨日は寝れなくて」と語っています。

そして「小さな記憶の箱」というのはサビで見ていた「夢」のことと思われます。

これが「夜の海に浮かんでいる」ということはまだその「夢」は沈んでおらず、手の届くところにあることがわかります。

僕らを描いたあの絵の中に吸い込まれるように終末旅行を楽しもう
どうせ全部今日で終わりなんだから

ここまで考察すると「僕らを描いた絵」は思い描いていた「夢」のことと思いがちです。「僕らが描いた絵」であればその解釈もできるのですが、僕「」が誰なのかがわかりません。

またここでは僕ら「を」描いた絵としてあるため、夢ではなく「みんなで書き込んだ本音」の世界、つまり今までいたインターネットの世界を表現しています。

「本当の僕ら」が出せるのはこの曲ではインターネットの世界だけであり、現実には出せない自分たちの姿が描かれているのがインターネット世界なのです。

そこに「吸い込まれるように終末旅行を楽しもう」としており、これからは今までのようにインターネット世界に入り浸ることがなくなることを示唆しています。

これは「どうせ全部今日で終わりなんだから」という歌詞でも伺えます。

深夜東京の6畳半夢を見てた
灯りの灯らない蛍光灯
明日には消えてる電脳城に
開幕戦打ち上げていなくなんないよね
ここには誰もいない ここには誰もいない

ここでサビが来ます。「吸い込まれるように」インターネットの世界を楽しんでいるため、今までと同じように何も考えず本音で発信していることがわかります。

深夜東京の6畳半夢を見てた
灯りの灯らない蛍光灯
明日には消えてる電脳城に
開幕戦打ち上げていなくなんないよね
ここには誰もいない ここには誰もいないから

そしてもう一度サビのフレーズが繰り返されますが、ここで転調します。

何も考えず没頭する中でも無意識にこれが最後であることを感じているのか、主人公の気持ちの昂りが感じられます。

これが単純に最後のインターネット世界を楽しんでいるのか、明日から始まる新しい生活に緊張しているのかはわかりませんが、どちらにせよ主人公のインターネット世界への没入はこれが最後です。

敢えて同じフレーズをサビで繰り返すことで、いつも主人公が真夜中になるとインターネットの世界に没頭している印象が強く残ります。

現代社会の人間性を如実に描いたような曲ですね。

さいごに

タイトル「春を告げる」だけ見ると明るい様子を思い浮かべますが、実際の歌詞ではほとんどが夜にインターネットをする描写しかありません。

2番の歌詞では主人公がそんなインターネット世界での生活を終わりにし、明日から新しい世界、思い描いていた「夢」へ挑戦するような表現が為されています。

つまりこの曲は単純に季節として春が来ることを歌っているのではなく、主人公の人生にとって長かったギリギリでインターネットにしか癒しのない生活が終わることを表現していたのです。

現実にもたくさんいるであろうインターネットにしか癒しのない人が新しく何かに踏み出したときの独特な緊張感気持ちの昂りが表現されている曲ですね。

シンプルな構成ながらも複雑な感情描写が魅力のyamaさんの曲に今後も注目です!

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