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チェリー【スピッツ】歌詞の意味を考察!失恋を乗り越えるための応援歌

スピッツの「チェリー」は1996年4月にリリースされた13thシングルです。

7thアルバム「インディゴ地平線」(1996年10月)、シングル集「CYCLE HIT」(2006年3月、2017年7月)などでも聴くことができます。

リリース当時はノンタイアップでしたが、2019年にはNTT東日本「ICTる?」のCMでカバーされました。

作詞・作曲はボーカル&ギターの草野マサムネさん、編曲は音楽プロデューサーの笹路正徳さんとスピッツが担当した「チェリー」の歌詞の意味を考察します。

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チェリー 歌詞考察

「愛してる」に込められた思い

君を忘れない 曲がりくねった道を行く
産まれたての太陽と 夢を渡る黄色い砂
二度と戻れない くすぐり合って転げた日
きっと 想像した以上に 騒がしい未来が僕を待ってる

「チェリー」は、当時28歳だった草野マサムネさんが初恋を振り返りながら作り上げた「出発の歌」です。

11thシングル「ロビンソン」がようやくヒットし、12thシングル「涙がキラリ☆」で波に乗った後に続くシングル。

まだ初恋相手に未練は残っているようですが、「初心を忘れず、困難な人生を前向きに進む」という新たな決意が感じられます。

太陽が昇ったばかりの「朝」という時間帯も、中国から渡ってくる黄砂が舞う「春」という季節も、出発のタイミングを表しているでしょう。

失恋というネガティブな思い出を抱えながらも、朝日のように明るく、その光に反射してきらきら輝く「黄色い砂」みたいな「目標や夢」を見つけたようです。

初恋相手と仲良くじゃれ合った過去への未練を断ち切り、まだ見ぬ未来へポジティブに進もうとしています。

「愛してる」の響きだけで 強くなれる気がしたよ
ささやかな喜びを つぶれるほど抱きしめて

日常会話やラブソングの歌詞で「愛してる」という言葉を使うことに抵抗がない人にとっては、まどろっこしい表現に感じられるでしょう。

草野マサムネさんは暗喩(メタファー)を多用し、詩的で抽象的な世界観を醸し出すタイプの作詞家です。

これまでの歌詞も実際にそうなっていて、その主人公が身も蓋もない「愛してる」という言葉をストレートに発するほうが実は違和感があります。

それでもネガティブな過去に浸らず、ポジティブな未来を目指すと決意したばかりです。

朝日のように明るい「愛してる」という言葉をどうにか口にするだけで、まだ弱いままでも気持ちを強く保つことができそうなのでしょう

真っ直ぐな愛の言葉を使いながらも、その後に砂をまぶすような表現を続けることで、草野マサムネさんや主人公らしい「曲がりくねった」心情が示されています。

急にポジティブな言葉を用いたことで感情が高まったのか、そっと大切にしたいはずの喜びを荒々しく受け止めているところもご愛敬でしょう。

手紙が象徴するもの

こぼれそうな思い 汚れた手で書き上げた
あの手紙はすぐにでも捨てて欲しいと言ったのに
少しだけ眠い 冷たい水でこじあけて
今 せかされるように 飛ばされるように 通り過ぎてく

さまざまな解釈が可能ですが、「薄れそうになっている初恋の記憶を、当時ほど清らかではなくなった今になって歌詞に仕上げた」という意味かもしれません。

かつて初恋相手にラブレターを渡した様子が目に浮かびつつ、「過去を断ち切ると決意したばかりなのに、作詞しようとすると未練(手紙の暗喩)が蘇る」といった心情も見え隠れします。

もしかしたら草野マサムネさんは徹夜で作詞していたのかもしれません。

あるいは、ぼやけた(少しだけ眠い)表現になってきたので、先に進もうということでしょうか。

「愛してる」の響きだけで 強くなれる気がしたよ
いつかまた この場所で 君とめぐり会いたい

「この場所」というのも曖昧な表現です。

「2人の思い出の場所」や「初心に返る場所、原点」、あるいは「歌詞」を表しているのかもしれません。

28歳当時の草野マサムネさんの思いが込められていると仮定すると、「初恋の思い出を歌詞として昇華したい」というニュアンスが感じられます。

「チェリー」というタイトルの意味

どんなに歩いても たどりつけない 心の雪でぬれた頬
悪魔のふりして 切り裂いた歌を 春の風に舞う花びらに変えて

タイトルの「チェリー」とは「さくらんぼ」のことです。

ただし、そのままの言葉は歌詞には出てきません。

スピッツが音楽番組「ミュージックステーション」に出演した際、「自分たちがチェリーボーイズだから」という趣旨の発言をしましたが、これは冗談です。

「チェリーブラッサム」だと「桜の花」になるので、「春の~花びら」の部分が該当するでしょう。

失恋した直後、涙を流していたときは実際にだったのかもしれませんし、季節でたとえるなら冬のような気分だったとも考えられます。

28歳になった草野マサムネさんは、失恋当時ほど悲しみに浸ることはなさそうです。

それでも心を鬼にして、切り裂いた手紙(未練)を花びらみたいに宙に舞わせながら、「チェリー」の歌詞へと昇華したのでしょう。

君を忘れない 曲がりくねった道を行く
きっと 想像した以上に 騒がしい未来が僕を待ってる

「愛してる」の響きだけで 強くなれる気がしたよ
ささやかな喜びを つぶれるほど抱きしめて
ズルしても真面目にも生きてゆける気がしたよ
いつかまた この場所で 君とめぐり会いたい

柄にもなく「愛してる」という言葉を「つぶれるほど」繰り返すことこそが、「ささやかな喜び」であり「ズル」でもあると考えられます。

今後もこの「チェリー」という楽曲(この場所)で、音楽の初期衝動を思い出すようにしたいという意味かもしれません。

初恋に未練がある人も、どうにか前を向く勇気がわいてきたのではないでしょうか

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さいごに

「チェリー」はたくさんのアーティストがカバーしている人気曲です。

たとえばPUFFY(カバーアルバム「THE HIT PARADE」)、福山雅治さん(カバーアルバム「魂リク」)、上白石萌音さん&上白石萌歌さん姉妹(2020年4月インスタライブ)など。

他にも多数のカバーが存在するので、ぜひスピッツのバージョンと聴き比べてお楽しみください。

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