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アポトーシス【Official髭男dism】歌詞の意味を考察!アポトーシスって何?

ヒゲダンことOfficial髭男dismの「アポトーシス」は、2021年8月18日にリリースされたメジャー2nd(通算3rd)アルバム「Editorial」のリード曲。

同年8月11日に先行配信され、Apple MusicのCMソングにも起用されました。

新保拓人監督によるMVのほか、東京・渋谷のBunkamura Studioにて一発撮りされたピアノ弾き語り映像のショートバージョンもYouTubeで公開。

アルバムのBlu-rayとDVDには、「Editorial」と併せて2曲の弾き語り映像フルバージョンが収録されています。

耳慣れないタイトルにはどのような意味が込められているのでしょうか。

ボーカル&ピアノの藤原聡さんが作詞・作曲、Official髭男dismが編曲した「アポトーシス」の歌詞について考察します。

アポトーシス 歌詞考察!

「アポトーシス」の意味

訪れるべき時が来た もしその時は悲しまないでダーリン
こんな話をそろそろ しなくちゃならないほど素敵になったね

恐るるに足る将来に あんまりひどく怯えないでダーリン
そう言った私の方こそ 怖くてたまらないけど

1991年8月19日生まれの藤原聡さんが「アポトーシス」という楽曲の構想を思いついたのは2020年8月19日、29歳の誕生日だったそうです。

リード曲となるアルバムのリリース日は2021年8月18日、20代最後の日でした。

「あと1年で20代が終わり、30歳になる」という藤原聡さん自身の不安が根底にありつつ、ファン(ダーリン)に語りかけるバンドの物語にもラブソングにも受け取れる歌詞になっています。

さよならはいつしか 確実に近づく
落ち葉も空と向き合う蝉も 私達と同じ世界を同じ様に生きたの

「アポトーシス」とは「細胞の自然死」のこと。

「細胞死」は大まかに管理・制御された「アポトーシス」(自然死)と、偶発的・事故的な「ネクローシス」(壊死)の2種類に分けられます。

「枯葉が落ちる、オタマジャクシのしっぽがなくなる、がん細胞が消滅する」などが「アポトーシス」。

「体を守るための手段であっても、失う細胞もある」といったニュアンスでしょうか。

30代を目前にして、老いや死、限りある命について考えるようになった憂いが伝わってきます。

今宵も鐘が鳴る方角は お祭りの後みたいに鎮まり返ってる
なるべく遠くへ行こうと 私達は焦る
似た者同士の街の中 空っぽ同士の胸で今
鼓動を強めて未来へとひた走る
別れの時など 目の端にも映らないように そう言い聞かすように

藤原聡さんの29歳の誕生日、2020年8月19日といえばコロナ禍真っ只中。

2020年7月24日から8月9日まで開催予定だった「東京2020オリンピック」は2021年に延期されました。

その流れで「オリンピック・マーチ」の作曲者・古関裕而さんによる「鐘の鳴る丘」を連想するのは深読みしすぎでしょうか。

ともあれ20代で大ヒットを連発した後(お祭りの後)のOfficial髭男dismとしては、さらなる音楽的な高みを目指すがゆえの焦りが生じたのでしょう。

メンバー4人でいつまでバンド活動を続けられるかわからないとしても、ビートや生命力(鼓動)を強めて前進するしかないと自らを鼓舞しています。

実際、ビートが強調されたエレクトロニックサウンドになっているところが、ブラックミュージック好きのOfficial髭男dismらしさとも考えられそうです。

ネガティブな心情を綴る理由

いつの間にやらどこかが 絶えず痛み出しうんざりしてしまうね
ロウソクの増えたケーキも 食べ切れる量は減り続けるし

吹き消した後で包まれた この幸せがいつか終わってしまうなんて
あんまりだって誰彼に 泣き縋りそうになるけど

さよならはいつしか 確実に近づく
校舎も駅も古びれてゆく 私達も同じことだってちゃんと分かっちゃいるよ

これまで歌詞として綴ることに抵抗があったネガティブな心情を残そうと決めた29歳の誕生日。

年齢を重ねると肩こりや腰痛がひどくなったり、こってりしたものをあまり食べられなくなったりしがちです。

藤原聡さん自身、バンド活動や人生の終わりを想像して不安に押しつぶされそうになることもあるのかと思うと、涙が止まりませんね。

もしかしたらせっかくの誕生日なのに大人数で祝うことができなかった可能性もあります。

学生生活や社会人生活にも限りはあるもの。

地球上に存在する植物も虫も、建造物も人間も、体内の細胞と同じようにいつかは消滅します。

自明の理とわかりながらも嘆かずにはいられないのは20代最後の1年だから、あるいはコロナ禍も影響しているのかもしれません。

今宵も明かりのないリビングで 思い出と不意に出くわしやるせなさを背負い
水を飲み干しシンクに グラスが横たわる
空っぽ同士の胸の中 眠れぬ同士の部屋で今
水滴の付いた命が今日を終える
解説もないまま 次のページをめくる世界に戸惑いながら

「シンクに横たわった、空っぽのグラス」を見て「水滴の付いた命」と表現し、「涙を流した自分」を重ねたイメージです。

「解説~世界」は「誰も正解がわからないまま毎日を過ごさなければいけない状況」とも考えられます。

藤原聡さんがネガティブな心情を吐露し、死生観を語る気になったのは、やはりコロナ禍という未曽有の事態も影響しているのではないでしょうか。

命の限り、愛し続けよう

今宵も鐘が鳴る方角は お祭りの後みたいに鎮まり返ってる
焦りを薄め合うように 私達は祈る
似た者同士の街の中 空っぽ同士の腕で今
躊躇いひとつもなくあなたを抱き寄せる
別れの時まで ひと時だって愛しそびれないように そう言い聞かすように

「今夜もどこかで仏壇の鐘を鳴らすお葬式が行われ、誰かの人生が終わった後のように静かだ」という意味かもしれません。

「どうにかコロナ禍が収束してほしい」という鎮魂歌にも聞こえます。

いつかは消え去る命について考え、落ち込んだ果てに「時間を無駄にできない」という結論に達しました。

限られた時間でやるべきなのは「大切な人と一緒にいること、大切な人を愛すること」です。

恋人、家族、友だち、仲間、バンドやチームのメンバー、ファンなど、さまざまな大切な人が考えられます。

訪れるべき時が来た もしその時は悲しまないでダーリン
もう朝になるね やっと少しだけ眠れそうだよ

藤原聡さんは夜通し死について思いを巡らせたようです。

それでも「命ある限り、愛し続ける」という希望が見えました。

Official髭男dismのバンド活動がいつか終わるとしても、あるいは30代になっても「悩む時間を惜しんで音楽やファンを愛し続けるから安心して」というメッセージかもしれませんね。

さいごに

「アポトーシス」のMVではOfficial髭男dismの演奏シーンと並行して、3世代の家族のドラマが描かれています。

限りある命を意識し、悩みながらも愛を大切にするOfficial髭男dismなら、3世代のファンに愛される国民的バンドとして君臨し続けるのではないでしょうか。