「アボイドノート」はベストアルバム「5」(2020年7月リリース)のために書き下ろされ、同年5月に先行配信されました。
作詞・作曲はボーカル&ギターの大森元貴さん、編曲はMrs. GREEN APPLE(ミセス、MGA)。
タイトルの「アボイドノート」は音楽用語で「回避音」のことです。
使うと不協和音になるため、なるべく使わないほうがいいと言われています。
いったい何を表しているのか、歌詞の意味を考察しましょう。
アボイドノート 歌詞考察
「アボイドノート」は何を表している?
「アボイドノート」の見つけ方は、音楽理論を学ぶ必要があるのでここでは省きます。
ちらっと紹介すると、キー(調)がCメジャー(音階・スケール:ドレミファソラシド)のとき、Cコード(和音:ドミソ)の「アボイドノート」はF(ファ)です。
ただし、この場合はミとファの相性が悪いので、ミを避けてファを使えば、別のCsus4コード(ドファソ)になります。
つまり「合わない音は使わないほうがいいけれど、使い方によっては化けることもある」という話。
ただ「アボイドノート」という楽曲自体は疾走感あふれるバンドサウンドで、「アボイドノート」は使われていないようです。
やはり歌詞のテーマが「厄介者も使いよう」なのでしょう。
それにしても「リラックス」という歌詞は「PARTY」(3rdアルバム「ENSEMBLE」収録曲)、「温かいもの」は「Soup」(4thアルバム「Attitude」)など、Mrs. GREEN APPLEの過去曲と通じるところがあります。
全19曲入りのベストアルバム「5」(以下、「5」)に収録できなかった楽曲を、ダイジェスト的に紹介するのが「アボイドノート」のコンセプトなのでしょうか。
「どうでもいい」という歌詞が「アウフヘーベン」(3rdアルバム「ENSEMBLE」)を表しているとすると、「5」に収録されているので前言撤回です。
「協和、不協和」は「混ざり合うか、合わないか」という意味で、「協和音、不協和音」を連想できるので、やはり「アボイドノート」。
「5」に入っている、入っていないに関わらず、毒気を含んだ歌詞を抽出しているのかもしれません。
コンセプトがわかったと思って「リラックス」したら、法則に当てはまらない「アボイドノート」的な歌詞が出てきたので、気になってイライラしている人もいるでしょう。
「森、風」が「SPLASH!!!」(3rdアルバム「ENSEMBLE」)を表しているとすると、「5」に入っていないので「SPLASH!!!」が好きなリスナーは「恨む」でしょう。
「海、魚」が「鯨の唄」(2ndアルバム「Mrs. GREEN APPLE」)なら、「5」に入っているので誰もが笑顔になります。
気づいてほしいこと
「呆れて」という歌詞は、「5」に入っていない「ツキマシテハ」(シングル「In the Morning」カップリング曲)。
「アボイドノート」として除外された楽曲も人間も、なかなか前向きには進めないものかもしれません。
「どうでもいい」という歌詞は、やはり「アウフヘーベン」。
「5」に入っている「協和音」みたいな楽曲のなかに、「5」に入らなかった「不協和音」みたいな楽曲を混ぜながら紹介しても気づかないのかどうか、問われているようです。
それでも「あの曲が収録されなかった」と悲しむリスナーの声は届くはず。
Mrs. GREEN APPLE自身、泣く泣く外した楽曲ばかりでしょう。
「鳥」は「5」に入っていない「PARTY」、「マグマ」は「5」に入っている「インフェルノ」(シングル、4thアルバム「Attitude」)。
「うらやむ、興奮する」という対比が、「5」の「未収録、収録」に合致します。
悪者はいない
「アボイドノート」を「5」に入らなかった楽曲と解釈してきましたが、人間になぞらえることもできます。
例えばこのような解釈が響かない人、異論を唱える人もいるでしょう。
それでも歌詞は自由に解釈できるものなので、誰も悪くありません。
というわけで「旅路」という歌詞は、「5」に入っていない「How-to」(シングル「ロマンチシズム」のカップリング曲、4thアルバム「Attitude」)を表しているでしょう。
「万歳」は「CHEERS」(4thアルバム「Attitude」)。
「バイバイ」は「L.P」(2ndミニアルバム「Variety」)、「HeLLo」(ミニアルバム「Introduction」、1stアルバム「TWELVE」)、「PARTY」など。
無敵の美しさを秘めた楽曲ばかりです。
6までの数字は「No.7」(1stアルバム「TWELVE」)、「我ら人」は「我逢人」(1stミニアルバム「Progressive」)など、他にも歌詞から連想できる楽曲はありそうです。
「5」の候補に上がりつつ、けずった楽曲も紹介したかったのでしょう。
楽曲だけでなく、けずられがちな人間に対しても拍手が送られています。
「アボイドノート」こそ無敵ということで、「5」に収録されなかった過去曲も聴きながら、それぞれの人生を輝かせましょう。
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さいごに
Mrs. GREEN APPLEが「アボイドノート」のMV(瀬里義治監督)を作る際に振り返ったのは、「ナニヲナニヲ」のMV(勝見拓矢監督)だったそうです。
1stミニアルバム「Progressive」(2015年2月)収録曲なので、原点回帰のような意味合いがあるでしょう。
撮影場所は千葉県市川市にある遊園地「大慶園」。
5人のわちゃわちゃ感が楽しめますね。