この記事では大人気シンガーソングライター・椎名林檎の魅力について紹介します。
唯一無二のカリスマ性を持つ歌手として、20年以上多くのファンを魅了し続ける椎名林檎。
その魅力とおすすめの楽曲に、大ファンである筆者が迫ります。
シンガーソングライター・椎名林檎とは?
椎名林檎は1978年埼玉県与野市出身、静岡・福岡県育ちのシンガーソングライター。
バンド・東京事変のボーカルとしても活動している国民的アーティストです。
「林檎」という名前は本名ではなく、ビートルズのリンゴ・スターから由来。
自身の楽曲をJASRACに登録する際に一時的に使用したのがきっかけでした。
しかし、もともとの由来は、幼い頃から恥ずかしがり屋ですぐに頬が赤くなったためだったそうです。
現在では華々しい活躍を見せる椎名林檎ですが、長い間、歌手になるための「下積み時代」とも言うべき日々を送ってきました。
幼い頃から両親の影響で、多様な音楽に触れてきた椎名林檎。
中学や高校でもバンドを複数掛け持ちし、自身で作詞作曲も行うようになります。
高校2年生の時に『Marvelous Marble(マーベラス・マーブル)』というバンドで「第9回TEEN’S MUSIC FESTIVAL」に出場。福岡地区で1位、全国大会で奨励賞を受賞します。(この時のグランプリはシンガーソングライターのaiko。)
しかしその後、高校を中退。
警備員やピザ屋などでフリーター生活をしながら、デモテープを制作する日々を送りました。
そんな中「The 5th MUSIC QUEST JAPAN」の福岡大会でバンドとして出場したところ、大会関係者に「ソロでやってみないか?」と勧められ、決勝には「椎名林檎」名義で出場。
この時、かの有名な「ここでキスして」で優秀賞を受賞し、東芝EMI(現在のユニバーサルミュージック)と契約。1998年5月、シングル『幸福論』でデビューを果たしました。
その後、『歌舞伎町の女王』『本能』など、愛と憎しみの混ざった歌詞、センセーショナルなMVを次々と発表。
自らを「新宿系」と自称し、日本の音楽界に新しい旋風を巻き起こしました。
ファーストアルバム『無罪モラトリアム』はミリオンヒットを記録。日本になくてはならないシンガーソングライターとしての地位を確立させました。
その後、2004年5月31日にバンド・東京事変を結成することを発表します。
本当は、一度休業をした際に、家庭に入ろうとしていた椎名。
しかし、周囲からの勧めが多く「知らない相手と音楽を作ることで自分自身を縛ること」をモチベーションに東京事変を組みました。
2012年に東京事変も活動休止をしますが、2020年に「再生」と銘打って活動再開。
ロックンロールからジャズ、ヒップホップなどの多岐にわたる音楽への類い稀なる才能を発揮し、今もなお根強いファンを持つシンガーソングライターなのです。
椎名林檎のおすすめ曲10選!
20年以上、日本の音楽界の最前線を走る椎名林檎。
そんな彼女のおすすめ曲10選を紹介します。
あなたの琴線に触れる椎名林檎が見つかりますように!
罪と罰
ファンの中でも最も人気な楽曲「罪と罰」。
MVでは自身の中古車であるベンツを真っ二つに切断するという、なんとも過激な描写が観る者の胸に強烈に残るでしょう。
レコーディングには、 『丸の内サディスティック』に登場する”ベンジー”こと、椎名林檎の憧れの存在、BLANKY JET CITYの浅井健一が参加。 かなり豪華な制作となりました。
『罪と罰』の最大の魅力が、掠れ声と巻き舌で宣われる狂気や欲望に満ちた歌詞。
”頬を刺す朝の山手通り 煙草の空き箱を捨てる
今日もまた足の踏み場は無い 小部屋が孤独を甘やかす”
寒々とした真っ暗な道の中で、孤独と共に歩む主人公が目に浮かぶような文学的歌詞は、どうしようもない喪失体験や傷に染みる救いにもなり得ます。
「罪と罰」は今もなお、椎名林檎を「椎名林檎たらしめる一曲」として多くの人に愛されています。
聴き終わった後には、ある一本の煙草を吸いたくなるでしょう。
椎名林檎の成分がぎゅっと詰まった濃密な楽曲です。
歌舞伎町の女王
デビュー後、2枚目のシングルとして発表された『歌舞伎町の女王』。
状況当時、上野のCDショップでアルバイトしていた時、通りすがりのスカウトマンに「君なら女王様になれる」と声を掛けられたことから着想を得、30分程度で制作したそう。
歌舞伎町で「女王」の肩書を持つ母親を持った娘の、葛藤や憧憬を描いた非常に物語性の高い楽曲。
”女になった私が売るのは自分だけで 同情を欲した時に全てを失うだろう”
この歌詞からはそこはかとなく、音楽界を牽引している椎名林檎自身が感じている現実のように思えてなりません。
タイトルにも勿論目が引かれますが、女性の繊細な機微を守ってくれているのを感じられる楽曲です。
ある意味、当時のスカウトマンの目は間違っていなかったですね。
幸福論
デビューシングル『幸福論』。
好きな人に対してのラブソングですが、見返りを求めず恒久的な愛を歌ったラブソング。
福岡に住んでいる当時、交際相手に向けて書いた楽曲だそうです。
”時の流れと空の色に 何も望みはしないように
素顔で泣いて笑う君に エナジイを燃やすだけなんです”
一見可愛らしいと思われる歌詞ですが、一人の人を永久に愛そうとする覚悟も読み取れます。
MVの撮影場所は、東京の世田谷区と目黒区に横たわる駒澤オリンピック公園。
横たわって動かなくなった椎名林檎、ゴリラの着ぐるみ、淡々と歌う周囲の人々…。どこか不思議な雰囲気が漂うMV。
最後立ち上がった先に待っていた風景を見れば、椎名林檎の音楽への思いも読み取れるでしょう。
愛する人は気付かないだけで案外近くにいると、勘づいてしまえる楽曲です。
ギブス
椎名林檎の名バラード『ギブス』。
17歳の時の交際相手に宛てて書かれたものだそうで、恋する気持ちが仄暗く歌われている大人気ソングです。
しかし「可愛い」に留まらないのが椎名林檎。
冒頭から「時の流れ」や「絶対性」など、椎名林檎の描く世界観や哲学が垣間見れる一曲です。
”明日のことは判らない だからぎゅっとしていてね”
時間が経ってしまえばすべてが変化する流動的な人生の中、その一瞬を奪われないように大事に大事にしている椎名林檎の描く歌詞。
それは恋愛だけではなく、大事な人すべてへ贈れるラブソングになり得るでしょう。
「死」を彷彿させるMVからも、時の刹那さを感受できます。
本能
看護師姿でガラスを割るMVで世の中に衝撃をもたらした『本能』。
さらには拡声器、真っ赤な口紅、高いヒール、ベッドでの絡み合い…。Sっ気たっぷりの椎名林檎がファンを興奮させ、20年経った今でもあまたの存在に支持される楽曲です。
MVの衝撃とは裏腹に、孤独をテーマにした『本能』は椎名林檎の表現の高さがうかがえる歌詞が綴られています。
”どうして歴史の上に言葉が生まれたのか 太陽 酸素 海 風 もう充分だったはずでしょう”
壮大な問題定義の上に成り立つ『本能』からは、ただならぬ孤独感や退廃感が漂ってきます。
何かが満たされない夜にひとり、聴きたい曲No.1です。
ちなみに椎名林檎は、実際にガラスを割ったことで流血。止血をしながら撮影に挑んだそうです。
ここでキスして
3枚目のシングル『ここでキスして』。
椎名曰く「十七に成ったばかりのあたしがそのまま生かされている」とのことで、当時交際して男性へ向けた甘酸っぱい葛藤が描かれています。
途中に登場する”シド・ヴィシャス”とは、イングランドのパックバンド・セックスピストルズのベーシスト「シド」に由来。
それになぞらうかのように楽曲全体もロックテイスト。緩急のついたリズムで虜になってしまう楽曲です。
好きな人への独占欲が剝きだしており、ちらちらと垣間見える狂気もまた椎名林檎らしく大人気の楽曲です。
丸の内サディスティック
シングルカットはされていないもののコンサートなどでよく演奏され、ファンから絶大なる支持を受けている『丸の内サディスティック』。
ここで言う「丸の内」とは、丸の内線を表しており、歌詞の中にも「御茶ノ水」「後楽園」「池袋」「銀座」という丸の内線の駅名が登場。
他にも「リッケン」「RAT」「グレッチ」(椎名の憧れであったギタリスト・浅井健一の愛用ギターの名称)が登場し、椎名の音楽への愛情が感じられる一曲です。
”そしたらベンジー あたしをグレッチで殴って”
という歌詞からは、浅井健一やギター、音楽全般を愛しすぎたゆえのマゾヒスティックな感情がダダ洩れで、ある意味、潔いよく気持ちいいです。
椎名の鍵盤ハーモニカが印象的で、まさに丸の内線界隈にふさわしい高級さと騒がしさが相混ざった楽曲です。
ありあまる富
シングル10枚目の『ありあまる富』。
ソロとしては2003年に発表した『りんごのうた』以降、5年半ぶりに発表された楽曲です。
差別や犯罪の社会問題をテーマにした松本潤主演ドラマ『スマイル』の主題歌に起用されました。
誰かに何かを奪われた人に対してそっと寄り添い、椎名独自の哲学で励ます『ありあまる富』。
「あなたの価値だけは誰にも奪えない」というメッセージは、誹謗中傷やいじめなどの現代の社会を顕在化し、それに苦しむ人に救いをもたらしています。
いつも毅然とした態度である椎名林檎が微笑み、その母性に包まれているのを感じられる楽曲。
聴けば、命そのものを肯定される気持ちになります。
長く短い祭
コカ・コーラのCMに起用された『長く短い祭』。
思わず耳を奪われた人も多いのではないでしょうか?
古風な言葉遣いに椎名林檎の世界観を感じられ、また、夏祭りの夜風のにおいがする日本の代表的な夏曲です。
”一寸女盛りを如何しよう”
と、行き場のない女性の美しさと恋心の生々しさが正々堂々と綴られる歌詞からは、妖艶さが垂れ流されています。
東京事変のメンバーである浮雲とのデュエットシーンもあり、色気あふれる楽曲に仕上がっています。
人生は夢だらけ
2枚目のセルフカバーアルバム『逆輸入~航空局~』の最初に収録されている『人生は夢だらけ』。
女優・高畑充希によって歌われていた「かんぽ生命」のCMで耳にした人も多いはず。
その後、大幅に歌詞変更がなされ今の楽曲になりました。
MVは、事実婚をしている旦那の児玉裕一によって監督され、椎名が首に掛けているネックレスは椎名の娘が作ったものだそうです。
『人生は夢だらけ』は、正直明るい歌詞で始まりません。
苦しいこと、叶わない恋愛、報われない努力…。しかし、それらを経験してきたからこそ理解できる自分だけの人生、存在意義、自由が歌われた人間賛歌でもあると、視聴後に受け止められるでしょう。
”それは人生 私の人生 ああ 誰のものでもない”
この言葉からは、酸いも甘いも経験してきた椎名林檎を含むすべての人間への誉め言葉のようにも感じられます。
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まとめ
いかがでしたか?
もともと大ファンだった人も、今まで聴いたことのなかった人も、ぜひ椎名林檎の世界観を味わってみてください。
きっと音楽への新しい視野が広がると思います!